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呼吸困難感・息切れ・呼吸苦② [呼吸理学療法]

前回に引き続き今回の話はとてもマニアックかもしれません(笑)
なるべく簡単に説明できるよう頑張りMAX!!東MAX!!!



「呼吸困難感・息切れ・呼吸苦」の評価は、
一般的な教科書には載せられていません。
せいぜいBorg scale(息切れや疲労感の尺度)がいいところでしょう。



ただこれだけでは『程度』が分かるだけで『原因』がわかったわけではありません。
理学療法士としてどんなことが原因なのか把握できなければ、アプローチの仕様がありません。



理学療法士は医師の指示の下行います。『診断』は医師の分野な訳で...
私たちは『その姿勢・動作・反応がなにからくるものなのか』
を把握することが求められる。
そのため二次予防の観点からして、とても重要な意義をもってると思います。



実習とかではそこまで求められはしないと思いますが、
臨床では絶対に必要なことだと思います!
患者様を理解できなければ理学療法をやる意味など皆無です。



さて、いくつか要因があると書かせて頂きましたが、
とりあえず1つずつ説明させていただこうと思います!


とその前に...



呼吸(運動)は『呼気(吐く)』『吸気(吸う)』に分けられます。
人間には脳幹部(の延髄・橋)に呼吸運動を司る中枢(呼吸をするよう働く司令塔)があり、肺や気道、大動脈弓といった末梢の感覚受容器(感覚を受け取る部分)から情報を受け取ります。
そこから呼吸を行うように指令を送る仕組みになっています。




意外と簡単なイメージじゃないですか?
これをよく覚えておいて下さいね。




説①:moter command theory(呼吸努力感)
呼吸中枢からの呼吸運動出力(呼吸をしろ!という命令)が感覚野(命令された結果を受け取る部分)へ直接投射し呼吸困難感を引き起こす。

というもの。


イメージしやすいものとしては、
肺活量が足りない人が風船を思い切り膨らませようとする感じですね!
膨らまないのに、頭に血管浮き出るほど息を吐いてたら苦しいですよねー



説②:受容器の刺激を感知する呼吸困難感
呼吸に関わる感覚受容器として気道と肺には気流による機械的刺激(物理的な刺激)に反応する受容器と化学的刺激(物質から発生する化学的な刺激)に反応する受容器があり、そこから呼吸困難感を引き起こす。


機械的受容器とは、呼吸筋の筋紡錘、気道や肺の伸展受容器など
化学受容器とは、頚動脈小体、大動脈弓、延髄
があります。


要は苦しくなる刺激を直接受けて発生することですね!
お腹いっぱいに空気を取り込んだり、二酸化炭素が体の中に溜まったりしてなります。



説③:中枢-末梢ミスマッチ説
呼吸運動神経出力と末梢感覚受容器からの情報がミスマッチすることで呼吸困難感を引き起こす。



うーん。簡単なような難しいようなですね。
ここでのキーワードとして呼吸運動神経出力と末梢感覚受容器ですね!



このミスマッチ説では、
息吐こうとしているのに、何らかの要因により吸ってしまうと呼吸困難感がでます。
つまり、情報の受け取りと出力に不具合が生じてしまうんですね!



「皆さんこんばんはー!マァッッチでぇぇーーす!!!黒柳さーん!!!」
はい、これが言いたかっただけです。
実際はそんなに言ってないらしいですね(笑)





これらを臨床的にみていくには、
呼吸回数、呼吸様式、酸素飽和度(SpO2)、血液ガスなどの項目を
『安静時』『労作時』に違いをみていく必要があります。



例えば...
安静時:呼吸回数20回/分、呼吸様式 普通、SpO2 96%
労作時:呼吸回数35回/分、呼吸様式 努力様、SpO2 96%
で苦しいとしたら何による呼吸困難感でしょうか?



はい。これはもう努力感によるものですね。
呼吸回数が上昇し、SpO2が変化していないことから、
体内での化学刺激を受けている可能性は低いかな?という仮説が立ちます。



この場合、呼吸回数を少なくしたり、胸郭のストレッチ
をすることで改善する可能性があります。






じゃあこの場合は?
安静時:呼吸回数20回/分、呼吸様式 普通、SpO2 96%
労作時:呼吸回数22回/分、呼吸様式 普通、SpO2 88%



ふむふむ。呼吸回数は増えていますが、SpO2が明らかに低下していますね。
度合いで比べるのは難しいですが恐らくSpO2が低下したことからくるかなと思います!



この仮説を検証するには、
体内の酸素飽和度が下がらなければいいので酸素投与をしてみるべきです。



正しければSpO2も下がらず、呼吸困難感が改善する可能性があります。
(注:病態の影響もあるため実施前の確認は重要です。病態説明はいつかの機会に。)





ってな感じですね。ただしこれらは必ず確立していないもので、
あくまで私の私見的な臨床的な評価と捉えて頂けたらと思います。
保険をかけるようですいませんね(笑)



ではまた皆さんに役立つ情報をお届けできたらと思います♪( ´▽`)

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呼吸困難感・息切れ・呼吸苦① [呼吸理学療法]

さあ、いよいよ臨床的なことを書いていきたいと思います。
今まで前置きが長かったので、好きなことを書けるのはわくわくしますね。



「おら、ワクワクすっぞ」状態ですね、はい。



臨床上の運動基準に「アンダーソン・土肥による基準」というのがあります。
あの基準の中には《血圧》《脈拍》を中心とした項目があり《運動中止・継続・休憩を挟み継続》を判断していきます。



私の中で「呼吸数も入れないのはなんでやねん」という疑問点があります。
一応《自覚症状》というくくりには入ると思うのですが...
なので疑問点も踏まえながら書いていこうかなと思います。



『呼吸困難感』



これは呼吸器疾患を理解する上では欠かせないものと思っています。
では、想像してみてください。肺や気管が障害されたら苦しくなると思いますか?



「は?当たり前だろ?頭おかしいの?」と思った人がいたら
「じゃあなんでなのか説明してみろよ馬鹿野郎」
と言ってやりたいですね(笑)



実は『呼吸困難感』というものは
当たり前のようで当たり前じゃないんですよー!



確かに
呼吸器疾患の患者さんは呼吸困難感を訴えることは多いですが、呼吸困難感があるからといって必ず呼吸器疾患があるということではありません!



健常な方でも、100mダッシュを思いっきりすれば苦しくなりますしね。
休憩を挟み回復するわけですが。あの孫悟空でえ息切れするんですから。


呼吸困難感には様々な説があり、
現在に至るまで完全に証明できたものはありません。
その中で今いわれていることを書いていきます。



そもそも、『呼吸困難感』とはなんなのか?
ざっと文献や教科書漁った感じだと...
・呼吸運動に伴い生じる呼吸の不快感であり感覚
・不快な感覚の間、呼吸パターンなども変化するため感覚のみ強調する場合に呼吸困難感と呼ぶ
・発生メカニズムに複数の感覚神経系の存在がいわれる点から主観的表現にも違いがある
・しかし、疾患と感覚の表現との間に確実な相関はない



ふむふむ。難しそうな言葉が沢山ありますが、要点としては、
呼吸の不快感
発生にはいくつかの要因が関与
確実な相関はなし
いくつかという表現がミソですかね。



調べるとやっぱり要因がいくつかありました。
それを紹介していきます。
説①:moter command theory(呼吸努力感)
説②:受容器の刺激を感知する呼吸困難感
説③:中枢-末梢ミスマッチ説



いずれもやや難解な感じになるのでこれは分けて話させて頂きので。
理学療法士の方だけならまだしも一般の方にも理解していただきたいので!



自分でハードルを上げてしまいましたので頑張っていきたい思います。
おら日本語しっかりと勉強してくっぞ♪( ´▽`)

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